日本の学校内のいじめは、世界で特別なものではない。フィンランドで私の
通っていた中学校でも、体の弱い男の子がよくいじめられた。何回か私もクラス
メートと一緒にそれに反発してみたのだが、いじめがなかなか止まらなかった。
結局、中学校を卒業するまで、我慢しなければならなかった。
しかし、フィンランドのいじめは、悪質で許されない行為であっても、日本
のと違って自殺まで及んだケースはほとんどない。なぜ日本の場合だけが、あん
なに悲惨な結果になるのだろう。
一つの理由は、生活すべてが学校のことに集中するからだ。朝から学校に行
って、授業が終わっても部活があったり、宿題があったり、塾があったりして、
学校生活から抜けられない。そこでいじめが登場すると、子供の全世界が崩れる
。
フィンランドの場合、学校が午後終わったら、宿題以外の時間は学校とは関
係ない。学校の友達と合う場合ももちろんあるが、そのほかに近所の友人とか兄
弟と遊んでいる場合が多い。例えば、部活の変わりに、各地域ではいろいろなス
ポーツクラブがあって、ほとんどの場合、その仲間が学校のと違う。
こうして、学校でいじめられても、それはつらい経験であるが、その人の青
春すべてではないから何とか耐えられる。そして、兄弟も他の友達も、よく支え
てくれる。
(この文章は、「朝日中学生ウィークリー」に掲載されたものです。)
「ペトリのひとりごと」バックナンバー:
VOL.1 「四季か六季か」
VOL.2 「ちょっと挨拶」