音楽いろいろ vol.4

 
 最近、日本のポップスやロックの話題で北欧系と言えば、スウェーデン出身 のアーティストたちが取り上げられる。「この波にのっかって、フィンランドも のにも興味が集まればなぁ。」と、日々ひそかに願っている筆者であるが、ヴァ ルッティナの新しいアルバム「KOKKO」には、その期待が十分にもてそうだ。  

 ヴァルッティナは、フィンランドでも超有名なトラッド・フォークロックバ ンドで、1991年頃からロンドンを初め、ヨーロッパ各地で取り上げられるように なり、1993年には初の3週間のアメリカツアーも行っている。最近で言えば、昨 年1996 年の6月に、ロンドンのクイーンエリザベスホールで行われたコンサート のチケットは、レニングラード カウボーイズ と同様に、すべてSOLD OUT。ま た同年ポリ・ジャズフェスティバルのオープニングで、ビョークとも共演してい る。と、ここまで言えば、すでにその人気のすごさを分かっていただけるだろう 。  

 ヴァルッティナは、1983年にカレリアのラーッキュラ(Raakkyla)で結成され た。メンバーのサリ&マリ・カーシネン姉妹は、幼い頃から母親の影響でカレリ アの伝統文化に触れながら、その伝承歌などを歌って育った。そして十代半ばに なって、仲間を集めて結成したのが、ヴァルッティナである。その頃は、15人 の少女と6人の少年という計21人の大人数バンドだったが、その後1990年のメ ンバー再編成を機に、9人のメンバー+ゲストプレイヤーという形で活動してい る。新しいアルバム「KOKKO」は、彼らの6枚目のアルバムにあたる。 彼らは 、カレリア自治共和国、エストニアの少数民族、マリ自治共和国などのフィノ= ウゴル語系民族の伝統音楽や伝承歌、詩に、アレンジを加えて曲を作っている。 5枚目のアルバム「AITARA」からメンバーの自作曲がぐっと増えたが、やはりベ ースとなっているのは、フィノ=ウゴル語系民族の音楽や詩である。詩の内容は 、フィノ=ウゴル語系民族の伝統社会における恋愛、性、女性の日々の生活で、 それらは、時にはユニークで、時にはどうしようもなく悲しい。人間の感情には 、昔も今も、国境も関係ないのだと改めて感じさせられる。 メンバーのサリ・ カーシネンは、1992年にMIPU MUSICいう独自のレーベルを作り、若いトラッド・ フォークバンドのCDや、フィノ=ウゴル語系少数民族の伝承歌のCDなどもリ リースしている。  


 5枚目のアルバム「AITARA」と今回のアルバム「KOKKO」は、日本でも発売 されているので手に入りやすい。それ以前のものは輸入盤になるが、最近のもの に比べてアレンジがシンプルなので、オリジナルに近い音楽を聞くことができる 。興味があれば、ぜひ過去にさかのぼって聞いていただきたい。DIGELIUS MUSIC のメイルオーダーサービスを利用して、CDを購入することもできる。

VARTTINA DISCOGRAPHY

「VARTTINA」(1987) MIPUCD 103 (フィンランド)
「MUSTA LINDU」(1989) Olarin Musiikki OMCD 22 (フィンランド)
「Oi Dai」(1991) Green Linet GLCD 4014 (アメリカ)
「Seleniko」(1992) Green Linet GLCD 4006 (アメリカ)
「Aitara」(1994) キングレコード KICP 475 (国内版)
「Kokko」(1996) WEA WPCR5551 (国内版)  

 VARTTINAが奏でる独特のリズム(変拍子)と、女声のハモり(2度で。例え ばドとレが同時に鳴る。)は、一度聞いたらやみつきですよ!5月29日には、 東京のクアトロに初来日も予定されています!!噂によると、ライヴで彼女たち の生声を聞くと、一瞬悪寒が走り、チキン肌になってしまうらしい。筆者も残念 ながらまだ、そのチキン肌体験をしていないので、来日時には絶対体験するぞ! と、意気込んでいます。  


ヴァルッティナ は独自でホームページ を開いています。ぜひご覧ください! 英語ですので、ご安心を。

NHK-FMの「DJショー」という番組で、筆者がヴァルッティナを紹介します。 気が向いたら聞いてみてください。
 放送日は、2月22日 10:00〜11:00am です。  

フィンランドのヘルシンキにある DIGELIUS MUSICのページ で、フィンランドの音楽などのCDをメイルオーダーできます。ご利用くだ さい!

注: VARTTINAの正しいつづりは、Aの上にドットが付きます。                      


「音楽いろいろ」バックナンバー vol. 1 伝統楽器カンテレ
vol. 2 伝統楽器ヨウヒッコ
vol. 3 ペリマンニ

(MIKI)


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