おんがくいろいろ  vol.3


 新年あけましておめでとうございます! 今年も、皆さんど〜んどんフィン ランドの音楽を聴きましょう!! 

 年末から年始にかけて、ちまたではインフルエンザがはやっているようです が、なんと、遠く離れたフィンランドでも同じようにインフルエンザがはやって いるようです。「新年早々、出鼻をくじかれてしまった。」という人も多いのか も知れません。そんな人は、熱いお茶を飲みながら、せめて好きな音楽でも聴い て、いらだつ心を落ち着かせてみてはいかがでしょうか?

 風邪を引いたときの飲み物と言えば、フィンランドでは温かい黒すぐりのジ ュースを飲むそうです。 残念ながら、日本では黒すぐりのシロップは手に入り にくいし、あったとしても安くはないでしょう。 フィンランドでは、夏から秋 にかけて黒すぐりのような実がたくさん採れます。そしてそれらをシロップや、 ジャムにして貯蔵しておきます。
 フィンランドの長い、長〜い冬の間、それらは大切なビタミン源として大活 躍するのです。では日本の私達は、黒すぐりの代わりに、花梨やリンゴのホット ドリンク、そして何より手近にある「緑茶」を飲んで暖まることにしましょうか 。

 シロップ用蒸し釜でつくる黒すぐりシロップ「ムーミンママのお料理の本」
(講談社) に載っています。
 

 さてこれまで「カンテレ」「ヨウヒッコ」と、フィンランドの伝統ものの音 楽を紹介してきましたが、新春第一回目になります今回は、にぎやかな「ペリマ ンニの音楽」について紹介します。カンテレやヨウヒッコを日本の琴、三味線の ような伝統音楽の位置に例えるならば、ペリマンニの音楽はその後現れたハイカ ラなニューミュージックと言えるでしょう。ではまず、どのように音楽が移り変 わっていったのかをお話しします。

 フィンランドの民族叙事詩といえば、「カレワラ」です。古代フィンランド の音楽は、このカレワラの詩、いわゆる「カレワラ調の詩」(無節形式で、韻を 踏んでいない詩)と呼ばれている民詩を歌うことから始まりました。このような 歌は、1600年頃まで実際に歌われていましたが、宗教改革の影響でその後は歌わ れなくなりました。そして、それ以降次第に農民の間で生まれた新しい民謡(有 節形式で、韻を踏み、やや長めの詩)やペリマンニ音楽(ダンス音楽)へと移り 変わっていったのです。


 ペリマンニ楽師は家系によって受け継がれていて、どの村にもこの民族音楽 を受け継ぐ家庭があります。口頭伝承(口伝え、みよう見真似で伝える方法)で 曲目や演奏方法を伝えて行くため、楽譜に頼りません。もともとは、農民や漁民 達が労働と休息の間に曲を生み出し、育て、彼ら自身の喜びや、悲しみの慰めの ために演奏されてきました。ペリマンニの曲目は、今日でもペリマンニ楽師自身 によって作られています。どの楽師も自作の曲をいくつか持ち、人に弾いてきか せます。ですから、それら膨大な曲数の中で、人々によって選び抜かれたものだ けが、スタンダード曲として残ってゆくのです。

フィンランドの人々は、ダンスが大好きで、現在でもお祝いのパーティー、式 典など催し物があるときには食後決まってダンスを踊ります。そのためにペリマ ンニの生演奏が必要なのです。人々はペリマンニの演奏にあわせて踊り、そのリ ズムの種類はポルカ、ジェンカ、マズルカ、ポルスカ、タンゴ、ワルツ・・と実 に多く、子供から老夫婦まで年齢を問わず誰もが次から次へと踊り続けます。


 ペリマンニが演奏する楽器で代表的なのは、ヴァイオリンです。その他に、 アコーディオン、コントラバス、クラリネット、マンドリン、フルート、足踏み オルガン、ギター、など様々な楽器が使われますが、古いアンサンブルの形は、 ヴァイオリン、アコーディオン、コントラバスというのが一般的なようです。 ペリマンニの音楽は激しく、にぎやかで陽気なものや、泣きの入ったものがたく さんあります。それを聴けば、思わず踊りたくなってしまいますよ!


 社会的位置としてペリマンニは、職業音楽家ではありません。多くのペリマ ンニ達は特別な音楽教育を受けていないため、音楽学校の先生にもなれず、ソリ ストにもなれず、クラシックのオーケストラ活動もできません。ましてや、ペリ マンニとしてどこからか給料をもらえるわけでもないから、職業として独立もで きません。演奏すれば、お礼程度のお金はもらえるようですが、それだけでは生 活できません。それでも彼らは音楽が好きだから、そして何よりペリマンニの音 楽を絶やさず伝えてゆくために、ペリマンニ楽師として生きているのです。だか らその音楽は激しく、人の心に伝わってくるのかも知れません。

 民族音楽に偉大な貢献をしたペリマンニに対し、最高級の演奏者にはカウス ティネンの民俗音楽祭から「メスタリ」、作曲功労者にはフィンランド民族音楽 協会から「オーテルマンニ」の称号がそれぞれ与えられます。すでに称号を受け た人の何人かは、弟子をとったり、独自の教育の場を設けているようです。



  日本でペリマンニの音楽を聴くことはなかなか難しいですが、輸入盤の中 でわりと入手しやすいものとしては、JPPというペリマンニのグループのCD です。JPPは、血縁者を中心に80年代初頭に結成されたバンドで、欧米を始め 、エジプトや東南アジアにまで招かれてライブを行っています。今のところ最も 最近リリースされたCDは、彼らの5枚目のアルバム、KAUSTINEN RHAPSODY(OMCD 53)です。

 さらに興味のある方は、小野寺誠さんの「白夜の国のヴァイオリン弾き」( 新潮社)をぜひお読みください。フィンランドでの、ペリマンニとしての生活が 生々と書かれています。

「音楽いろいろ」で紹介しているフィンランドの音楽のCDは、日本での入手 が困難なものが多いですが、入手可能の情報を順次お知らせして行きます!  (MIKI)



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 フィンランドのヘルシンキにあるレコード店「ディゲリウス・ミュージック(DIGELIUS MUSIC)」につながります。
 英文ですのでご安心を! 

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