今回は少しかたい話からいたしましょう。
古代フィンランドの音楽はカレワラ調の詩、いわゆるフィンランドの民族叙
事詩「カレワラ」の詩を歌うことから始まりました。カレワラの詩は7〜10世紀
頃の多くの百姓や、漁師、漁民らによって作られたもので、すべて歌の形で存在
しています。彼らは、先ず詩に3つまたは5つの音を使って短い単純なメロディ
ーをつけ、そのつづきは元のメロディーを少しずつ即興的に変化させながら作り
、歌っていきました。歌うときには、二人が向かい合い、右手と右手、左手と左
手を握り合って(手をクロスした格好になります)、それを振ったり、体を揺ら
したりしながら歌っていたようです。(私は子供の頃、これと同じようなことを
して父と一緒に遊んでいた記憶があります。歌の代わりに「ギッコン、バッタン
」というかけ声をかけながらでしたが・・・)歌う時、伴奏に使われていたのが
、前回登場した「カンテレ」や、「ヨウヒッコ」というヴァイオリンに似た楽器
や、「トルヴィ」と呼ばれる木の皮で作った笛、木や動物の角から作った笛など
でした。これらの楽器はみんな手作りだったのでしょう。歌も楽器も彼らの生活
の中から生まれたものだったのです。
| では、その伴奏に使われていた楽器の一つである「ヨウヒッコ」を紹介しま
しょう! ヨウヒッコは、ヴァイオリンなどに使われる弓で擦って音を出します。カン テレと同様、デンマーク、スウェーデン、バルト海沿岸の地域にも同じような楽 器があります。やはり昔は一本の木をくりぬいて作られていましたが、現在は各 部分を組み合わせて作られています。使われる木は樺、ハンノキ、もみ、です。 弦は4本の馬の尾の毛をねじって1本の弦にしたものが3弦張ってあります。 この楽器のユニークな所は、演奏法です。 普通、ヴァイオリンや、ギター、琴などの弦は指の腹で押さえます。しかし 、このヨウヒッコの場合は指の背、つまり爪の下あたりで押さえるのです。押さ えるというより、触れるような感じです。少し変わっていますよね。 そして弓で擦って音を出します。また、3本の弦のうち、真ん中の弦は常に他 の弦と一緒に擦ります。まぁつまり、真ん中の弦の音はいつも鳴っている状態な わけですね。 音は、ヴァイオリンの音を少し荒くして、ザラザラ感を加えたよ うな感じです。何となく想像していただけるでしょうか・・・。 残念ながら日本でヨウヒッコの音を聞くことは困難です。CDの入手もなか なか難しいです。しかし、もしもどこかでこのような楽器を見かけたら、ぜひヨ ウヒッコのことを思い出してください。 (MIKI) |
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